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あびる優の育児論に大きな反響
先日、タレントのあびる優さんが、日本の男性はもっと子育てに協力的であるべきだと言う育児論を語った。
24時間、子供に気を配る体制と、ほぼ家の中だけで一日を終えることも珍しくない日々に、大きなストレスを抱える事もあると告白。
それに対し、男性は仕事と言うことで外に出て、付き合いと言う名目で、食事やお酒を飲むこともある。
育児に縛られる身からすれば、会社に勤めているという大儀をかざして、自由な毎日を過ごしている風に映り、そこに不公平さを感じるとの事。
まぁ、有名人ママとSNSの発信力が相乗効果となって、大きく取り上げられることになりましたが、特にそこまで注目される発言を行っているわけではないと思います。
育児を経験した女性からすれば、何を今更と、冷淡な反応も見せそうです。
その一方で、今まさに、あびる優さん同様に育児を頑張っているママさん方からすれば、よくぞ私たちの気持ちを代弁してくれたと賞賛を送るのも理解できます。
さて、ここで逆に気まずい雰囲気に囲まれるのは夫、そうあなたです。
お母さん同士が、日頃の育児による鬱憤話で盛り上がる中、男ができると言うことは、
『ごめんねママ、これからはもっと僕も育児を頑張るよ』
ではありません。
こんな口先だけを述べても、大きなストレスを抱え、神経質になっているママさんの逆鱗に触れるだけでしょう。
また、たまの休日に、ちょっとだけ育児を手伝ったところで、
(たった一日、それも数時間、やっただけで育メン気取られてもね・・・)
表向きは感謝されても、心の中では、舌打ちされておしまいです。
じゃあ、どうするのかと言うと、
何もできませんよ。
だって、それこそ立場を逆転して、あなたが主夫になり、奥さんに仕事に出てもらうというのであれば、育児から解放されます。
でも、休日だけちょっと手伝ったところで、次の日になれば、また奥さんが一人で、ずっと子育てをしなければいけない訳ですから、それこそ焼け石に水です。
結局のところ、完全な解決方法を提示できない以上、奥さんを前にしたときは、やや表現は悪いですが、サンドバッグになって、ストレスの捌け口になるぐらいしかありません。
俺だって毎日、仕事をして大変なんだよ!
毎日の育児が大変だと奥さんの愚痴を聞くたびに、歯を食いしばりながら、
(うるせ~な。俺だってお前や子供のために、面白くもねえ仕事を毎日やってんだよ!)
そんな言い分とも、不満が沸々と心の中で煮えたぎっていませんか?
何だったら、心の中から猛スピードで喉を通過して、食いしばっている歯をこじ開けようとしていませんか?
頑張って、死守して下さい。
絶対に、言葉にして、それを奥さんに伝えてはいけません。
奥さんはあくまで育児のストレスを、パートナーであるあなたに聞いてほしいのです。
実際、その現状を大きく変える事ができないのは、奥さんも理解しています。
それでも、そうした大変な日々を過ごしていることに、妻だから、母親なんだから当たり前だろというあなたの態度が気に入らないのです。
そして、それを半ば、役割と言う枠組みにはめ込んでいる社会や、世の中の風潮や価値観に、やるせない怒りを覚えるのです。
よく、それを育児疲れと、ある種のメンタル的な病気のように表現し、病人扱いをしますが、24時間子供の世話をしなければいけないのですから、疲れるに決まっているじゃないですか。
そこに、今度はもっともらしい理由をつけて、病人扱い。
これでは、救われませんよね。
どうにもならない事でも感謝はすべし!
奥さんが必死に育児を頑張っているのも理解できる。
でも、俺だって頑張っているんだ、仕事をしなければ生活もできない。
何故、どうにもならない事ばかり言って、俺を困らせるんだ!
そうですよね、妻であり母親も大変なのは分かりますが、夫であり父親も、また別の苦労や大変さを背負って、毎日、生きているんですよね。
ただ、ここは、今は亡き名優、渥美清さんの代表作
『男はつらいよ』
ではありませんが、育児に頑張る奥さんに、
『いつも大変な育児を頑張ってくれてありがとう』
と、感謝とねぎらいの言葉をかけるだけでも違いますよ。
育児の大変さを最も知っているのは奥さんなら、そこから逃げられないと知っているのも奥さんです。
そんな奥さんが求めているのは、パートナーである、あなたからの理解と感謝です。
それが、当然の義務であるような態度をとる夫と、育児の大変さを理解し、たまに感謝の言葉をかける夫。
育児で大きなストレスを抱えている奥さんにとって、どちらの夫が毒であり、薬かは、分かりますよね?
そして、あなたに少し奥さんをいたわる気持ちの余裕が出来たら、休日、奥さんに代わって子供の面倒をみて、奥さんを解放させてあげれば、今度は、それがあなたへの感謝として返ってくるはずです。
育児は、必ず出口が見えるトンネルです。
そこまでの道のりを、互いが気遣う心を忘れないことが、もっとも大切です。