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涙もろい人は良く見られがち
昔から、涙もろい人は情に深いと思われ、善良な印象があります。
ただ、特に根拠があるわけでもなく、涙を流すときには、人の弱さや優しさが関係しているところがあるかもしれません。
悪人でも涙は流す
善人だけが涙を流すものかと言えば、悪人でも涙を流すことはあるでしょう。
一般的には悪人、素行の悪いとされる人間でも、仲間内や家族に見せる顔はまた別で、そうした人たちの前では屈託ない笑顔を見せることもあれば、ちょっとしたことで感動して涙を流すこともあるはずです。
そう考えると、涙をよく見せるからといって、善良な人間であると判断するのは根拠が乏しいと言えそうです。
感情の起伏が激しい人も
よく人前を憚らず号泣する人もいます。
こうした人もある意味では涙もろいと言えるかもしれませんが、よく知ると感情の起伏が激しい一面を持っているということがあります。
泣いているときも豪快ではあるが、怒りを露わにするときも同様で、その様子は少し怖いとさえ感じさせることもあります。
感情表現が人より豊かなみることも出来ますが、見方によってはやや情緒が不安定な面をもっているのではと不安にさせられます。
感情の振れ幅がある人を、善か悪かと断定できるわけもなく、やはり涙もろい部分だけで決めつけるのは難しく思えます。
涙に価値を求める過ぎているかも
涙をよく流すからといって、それが善良な心の持ち主と考えるのは、少し涙に大きな価値を持ちすぎている気がします。
そもそも、人は誰しも涙を流すことが当たり前で、それが特別なことでもないことは知っているはずです。
それでも、不意に人が涙を流しているのを見て、そこに感じ入るものがあるのは、その相手の状況や事情に少なからず共感を覚えるからだと思います。
実際、人が涙を流しているのを見て、つい自分もつられるように涙を流した覚えがある人は多いはずです。その一方で、号泣している人を見ても、まったく共感が出来なかった場合には、涙は一滴も流れないということもあります。
涙はあくまで感情が引き起こす結果であり、それよりも大事なのは、泣いている相手に自分が共感、共有できるものがあるかです。それが強ければ強いほど、その相手に対して好感に近い感情を抱きます。
そう考えれば、涙もろい人は、よく涙を流す人のことを指します。普通よりも人前で涙することが多い分、人に共感や親しみを覚えてもらう機会が多いという見方は出来そうです。
涙を流す人が良い人と思ってしまうのは、涙を流すときは大なり小なり、心が作用していることが多く、泣く姿に人間らしさを重ねているのかもしれません。
もしそうならば、相手がどういった状況や理由で涙を流しているのかをよく見て、考えることで、人間性を知る大事なきっかけになりそうです。