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JR東海の善意で配ったパンに賞味期限が切れていると指摘した乗客に思うこと
JR東海が、台風の影響により熱海駅で停車し、社内で夜を明かす事になった乗客に、駅で備蓄していた缶詰に入ったパンを128食分配ったところ、それを受け取った一部の乗客から、賞味期限が2ヶ月過ぎている事を指摘された事がニュースとなっていました。
不安の中夜を過ごす事になった乗客を思って、職員が善意で配ったパンに対し、賞味期限が過ぎていると指摘する人の立場になれば、予期せぬ事態で気が立っていた事に、期限切れが偶然に重なり、指摘したのかもしれません。
しかし、賞味期限は、あくまで美味しく食べられる期限であり、期限を少し過ぎたからといって、すぐに傷むという事はありませんよね。
実際、この日にパンを受け取った乗客からは、健康被害などの報告はされていないようです。
このニュースを伝えた記事の内容だけでは、乗客が指摘したあるだけで、強く抗議したのかなどはよく分かりません。
ただ、この人には職員の、少しでも食事をしてもらい不安を落ち着かせる事ができればという善意にまでは考えが及ばなかったのかもしれません。
消費ではなく、賞味期限の意味を理解した上で、どうしても口にしたくなければ、食べなければ良かったのではと思います。
それを、わざわざ、あたかも職員のミスのように指摘するという所に、ストレスをコントロールできず、人の善意に対する感謝の心を忘れている事が分かります。
困ったときこそ、周囲の気持ちを考えるよう行動しましょう
相手に嫌がらせをしようと、わざと賞味期限が切れたパンを配ったというのなら話は別ですが、台風により緊急停車を余儀なくされ、車内で一日を過ごす事になったという状況だったわけです。
今回、指摘をした人には、そうした状況を冷静に把握する能力が明らかに欠如していたと言えます。
これは人災ではなく天才なのです。そうした突発的な状況下でも、食料が配られるということに対し、まず感謝の気持ちを持つべきなのです。
そこに、人が生きていくうえで大切な、優しさを感じる事ができる人間なのかを判断する事が出来ます。
人から受けた行為や善意にけちをつけるような人間は、日常生活の中でも、他人の心に疎く、我侭な振る舞いを行う事が多く、自分では気づかないうちに誰かを傷つけている場合があるので注意が必要です。
自然災害などに晒され、そこに強いストレスを一時的に感じてしまう事は誰しもあります。
しかし、そんな時こそ、その怒りや不安だけに振り回されるのではなく、ちょっとした人の優しさや善意に意識を向けてみることだけで、気分も落ち着きを取り戻し、冷静に状況を受け止める事もできます。
困っているのは、自分だけではない。
その状況下にいる人は、みんな同じような気持ちで過ごしているのだと、周囲を見回してもよいでしょう。
そうすれば、そんな中で、職員が配ってくれたパンに対し、賞味期限が少し過ぎていたからと言って、それを非難するような気持ちにならないはずです。
後になって、自分はなんて恥ずかしい事をしてしまったんだろうと思わないよう、困ったときこそ、自分の気持ちだけでなく、人の気持ちも意識しましょう。
それが結果的に、冷静さを取り戻す事ができる方法にもなります。